糖尿病は感染症にかかりやすくなる?|糖尿病の検査・治療なら大阪市北区天神橋の「佐藤内科クリニック」

感染症によくかかる

糖尿病になると感染症にかかりやすい理由

糖尿病を患っている方で感染症にかかりやすい理由としては、以下の4つが挙げられます。

白血球(好中球)の機能低下

白血球は元々体内に侵入してきたウイルスや細菌を食べて駆逐することができますが、高血糖が続くと白血球の働きが低下してしまいます。通常、血糖値が250mg/dl以上になると白血球の働きが鈍くなります。

免疫反応の低下

人間には免疫反応が備わっています。免疫反応とは、1度病気にかかると抗体が体内で作られて2回目や3回目はかかりづらくなることです。高血糖が続いていると免疫反応が弱くなってしまいます。

血流の悪化

高血糖とは毛細血管の血流が悪化してしまうこともあり、必要な場所に必要なだけ酸素や栄養素を届けることができなくなってしまいます。細胞の働きも鈍くなってしまい、感染部位に白血球が辿り着くことができなくなります。
さらに内臓の血流の悪化することによって、膀胱炎、腎盂腎炎(じんうじんえん)、肺炎、胆嚢炎(たんのうえん)、などの感染症にかかりやすくなります。

神経障害

糖尿病には多くの合併症がありますが、その中の一つに神経障害があります。痛みを感じるための防御機能が壊れ、重症化していると痛みを感じることがないため、症状に気づいた頃には手遅れになっていることもあります。
神経障害は足から症状が出始めるので、糖尿病の患者様は足のケアを欠かさずに行いましょう。

糖尿病患者様の感染防止策

うがい糖尿病でも感染を防止するにはワクチンの接種だけでなく、手洗いやうがいなども予防効果があります。また、糖尿病の方には、インフルエンザワクチンの摂取をお勧めです。台湾の研究によると、インフルエンザワクチンは特に糖尿病患者様の中でも高齢の方の入院頻度を減らすことができるとされています。
高齢の糖尿病患者の方は、様々な合併症を防ぐためにも、インフルエンザワクチンだけでなく肺炎球菌ワクチンも摂取しておきましょう。入院している糖尿病患者の方も、肺炎球菌ワクチンを接種するだけで、入院期間を短くできるケースが多いです。

糖尿病の方は感染症やケガに注意してください

糖尿病になると免疫力が低下するため、ちょっとした風邪でも油断すると重症化する危険があります。また、感覚が鈍くなってしまうため、ケガをしても気づくことができずに悪化してしまう可能性もあります。
そのため、生活習慣を整えて的確に血糖コントロールをし、感染予防を徹底してください。もし感染症にかかってしまったら、早急に受診して医師から適切な処置を受け、安静を保ちつつ水分はしっかり摂取するようにしましょう。

感染症にかかってしまったら

診察イラスト感染症はどの部位がかかったとしても、早期に適切な治療を受けることが重要です。治療方法は部位によって異なるため、症状が軽いうちに医師に相談し、きちんと治療を受けてください。
感染症になると、発熱や下痢、食欲不振などといった症状が現れ、ひどい場合には食事が摂れなくなる「シックデイ」になり、血糖値が上がってしまいます。血糖コントロールが乱れているときに内服薬を自己判断で勝手に止めてしまうとより悪化します。また、きちんと内服薬を服用していても、嘔吐してしまえば意味がありません。インスリン製剤を使用している場合は、こまめな調整と血糖値の測定が大切で、食事が摂れないからといって勝手に中止しないようにしましょう。医師に事前にシックデイについて相談しておくことで、対処法を知ることができます。どうすればいいのか分からなくなったという場合は、ためらわずにすぐに医師に相談してください。