健康診断で測定する血糖値の注意点
健康診断では空腹時の血糖値のみを測定するため、空腹時血糖を測れるものの変動する血糖値の全てが分かるわけではありません。
血糖値を測定する最も重要なポイントは採血のタイミングです。なぜなら、食事の内容や食べた時間によって血糖値が変動するからです。血糖値だけでなく、HbA1cもきちんと測定されているかどうかが重要になります。
健康診断で高血糖を指摘された方へ
高血糖が指摘されているなら、早いタイミングでの受診が必要です。糖尿病かどうかを診断するためには、血糖値、HbA1cを測定する必要があり、いずれも血液検査で可能なため、まずは当院にご相談ください。
糖尿病になった初期は自覚できるような症状がほぼないため、判断が難しいものですが、高血糖を指摘されたら速やかに受診して早期治療を開始することが重要です。糖尿病は合併症を起こすリスクが高く、網膜症や糖尿病性腎症などが多くの糖尿病患者に発症します。また、心筋梗塞や細小血管症などの合併症は早めに血糖コントロールを開始することで、予防が可能だからです。
特に腎臓の疾患に関しては早期発見・早期治療開始の効果が高いため、人工透析を予防したいのであれば、早くから治療を行うことが非常に重要となってきます。
健康診断で異常がなくても隠れ糖尿病の可能性があります
健康診断では、通常空腹時の血糖値を測定するものであり、食後の血糖値を測定すると正常範囲を逸脱していて糖尿病と診断されてもおかしくない程度であっても、空腹時の血糖値は正常であることもよくあります。そのため、健康診断では見逃されがちになり、隠れ糖尿病とも呼ばれます。
そのため、糖尿病の検査をするときには食後の血糖値やHbA1c、ブドウ糖負荷試験を空腹時血糖と一緒に計測する必要があります。
このような症状はありませんか?
- 尿糖が見られる
- 空腹時血糖値の検査結果が100mg/dl以上だった(正常値は110mg/dl未満)
- 高血圧、脂質異常症、肥満、高脂血症などがある方
- HbA1cの検査結果が6%以上だった(正常値は6.2%未満)
- 食後に血糖値を測定したら140mg/dl以上だった
- 近親者に糖尿病の既往歴がある人がいる
上記に当てはまる場合は糖尿病の可能性があるため、一度ブドウ糖負荷試験を受けてください。
境界型と診断された方へ
境界型と診断されたなら、糖尿病ではないにしても糖尿病になりやすいということです。そのため、まだ糖尿病ではないから大丈夫と感じるかもしれませんが、動脈硬化や狭心症、脳梗塞、心筋梗塞などの疾患にかかりやすいと言えます。境界型と診断されたなら、太っている場合は減量が必要で、そうでなくとも適度な運動が重要です。
高血圧や高脂血症などの疾患がある場合は、より動脈硬化になりやすくなるため、適切な治療を受ける必要があります。
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