糖尿病とは
ブドウ糖は血液中に存在し、インスリンによって細胞に取り込まれるようになっています。しかし何らかの原因で取り込むことができなくなり、「血糖値」(血液中のブドウ糖の量)が高くなってしまう病気を糖尿病と言います。血糖値が高くなったままでいると、体を構成する組織や血管などに良くない影響を与え、命を脅かします。また、様々な合併症を発症するリスクもあります。
ほとんど症状のない糖尿病
糖尿病の特徴は、初期にはほとんど自覚できる症状が出ないという点です。体調に変化がないために受診することもなく、発見が遅れてしまいがちです。例え病院で糖尿病と診断されたとしても、特に自覚できる不調などがなければ病院に通わなくなってしまう方も多いです。
合併症のリスク
糖尿病は、様々な命に関わる合併症を併発する疾患でもあります。代表的な例としては、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病神経障害などがあります。これらの合併症を発症してしまうと、QOL(生活の質)を大きく低下させるだけでなく、命の危険も考えられます。糖尿病は放っておいても治ることはないため、診断を受けた際には継続して治療を受けることが重要です。糖尿病を発症していると、平均寿命が通常よりも10歳程度短くなるとされています。
血糖値について
血液中にはブドウ糖が含まれていて、濃度が高ければ「高血糖」、濃度が低ければ「低血糖」となります。糖尿病が発症するということは、高血糖の状態が長く続いているということです。高血糖が続いても特に体に異常は感じられないことがほとんどです。
しかし、低血糖の場合は自覚できる身体的な異常があります。健康診断などでも血糖値の異常を指摘された場合は「たいしたことがないから」と放置するのではなく、早めに受診するようにしてください。
血糖値の基準
一般的に血糖値が正常かどうかを判断するには、空腹時血糖値を計測する必要があります。正常の範囲は「約70〜100mg/dl」です。空腹時に測定する理由は、血糖値に異常のない人でも食後は一時数値が上昇してしまうからです。上昇した血糖値は、膵臓からインスリンというホルモンが分泌されることによって、正常の範囲内に落ち着きます。逆に血糖値が低くなりすぎたときには、グルカゴンというホルモンがグリコーゲンを血糖値に変えてくれるので、血液中の血糖値を正常の範囲内に戻すことができます。
血糖値が高いときのリスク
高血糖になったからといってすぐに糖尿病が発症するわけではありませんが、糖尿病になるリスクが高まり、動脈硬化も進行する恐れがあります。動脈硬化が進行してしまうことで、脳梗塞や心筋梗塞といった危険な疾患にかかるリスクが増大します。
血糖値が低い場合
低血糖になると体の異常を感じるようになります。具体的には、70mg/dl以下になると冷や汗、震え、動悸、気分の悪さなどを感じます。さらに血糖値が下がってしまい、50mg/dl以下になると意識低下、めまい、頭痛などといった症状が出てきます。これは脳を正常に稼働するためのエネルギーさえ足りなくなってしまうからです。糖尿病の薬を服用していると低血糖を起こしやすく、薬物で治療する際には十分に注意する必要があります。当院では、薬物の副作用によって低血糖を招いてしまった場合の対処法を詳しくご説明します。
糖尿病の原因
糖尿病は、1型糖尿病や2型糖尿病、その他糖尿病、妊娠糖尿病に分類されます。原因はそれぞれ異なりますが、糖尿病患者の中でもっとも大きな割合を占めているのは、2型糖尿病です。主な原因は生活習慣の乱れであり、糖尿病患者の90%以上とされています。
1型糖尿病
血液中のブドウ糖を細胞に取り込むためのインスリンは、膵臓のβ細胞から分泌されます。ここが破壊されてしまいインスリンの分泌がままならず、糖尿病を発症してしまいます。主な原因は自己免疫の異常などであり、比較的若い世代を中心に発症し、妊娠中の方も発症のリスクがあります。
2型糖尿病
2型糖尿病の主な原因は生活習慣の乱れであり、具体的には高カロリー・高脂肪・食物繊維不足などの食事内容、睡眠不足やストレス、運動不足、喫煙などです。インスリンの働きが低下する、あるいはインスリンの分泌が少なくなってしまうなどといった場合に発症します。2型糖尿病が発症するのは主に中高年が中心ですが、若い世代にも見られます。
その他の糖尿病
糖尿病の中には、遺伝子の異常が原因となる場合もあります。遺伝子異常とは言ってもいくつかの種類があり、インスリンの働きや伝達機構自体に異常が見られるタイプ、インスリンを分泌する膵臓のβ細胞機能に異常が見られるタイプなどです。遺伝子異常の他には疾患が原因となる場合もあり、主な疾患としては肝臓疾患、感染症、甲状腺・副腎・下垂体の内分泌疾患、膵外分泌疾患などといったものがあります。その他、薬を服用しているために副作用が原因で糖尿病を発症する場合も考えられます。
妊娠糖尿病
妊娠糖尿病は、妊婦がかかる糖尿病です。妊娠すると、約1割程度の方に軽度の糖代謝異常が見つかります。妊娠糖尿病はそのまま糖尿病へと移行する可能性が高い病気であり、母体だけでなく胎児への悪影響も懸念されます。
糖尿病の検査
糖尿病を診断するには、血液検査で血糖値やHbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)を調べる必要があります。糖尿病と診断される基準は、以下の通りです。
- 早朝の空腹時血糖値が126mg/dl以上
- 75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)検査開始から2時間後の値が200mg/dl以上
- 食事からの時間を決めずに測定する随時血糖値が200mg/dl以上
- HbA1cの値が6.54%以上
これらのうち、1〜3のいずれかと4に該当すると、糖尿病であると診断されます。 1〜4のいずれか1つが確認された場合は糖尿病疑いとなり、3〜6ヶ月後に再検査が必要になります。
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