萎縮性胃炎はがんになる?知っておきたいリスクと確率のすべて

萎縮性胃炎はがんになる?知っておきたいリスクと確率のすべて

萎縮性胃炎は、長期にわたる胃の炎症が続くことで胃粘膜が薄くなる状態を指し、日本人に多く見られる疾患の一つです。がんリスクとの関連性が深く、早めに適切な検査や治療を行うことが大切とされています。

本記事では、萎縮性胃炎と慢性胃炎の関係、ピロリ菌とのかかわり、がんリスクの確率などを含む最新の知見をわかりやすく解説します。日頃のケアから検査・治療に至るまで幅広く紹介するので、ぜひ参考にしてください。

萎縮性胃炎とは:慢性胃炎との関係

まずは萎縮性胃炎の定義や、慢性胃炎との関連性を確認していきましょう。

萎縮性胃炎とは、主にピロリ菌による慢性的な炎症が長期間にわたって続くことで、胃粘膜が薄くなった状態を指します。多くの場合、ピロリ菌が胃粘膜にダメージを与え、組織を萎縮させることで生じます。日本では中高年を中心にピロリ菌感染者が多く、萎縮性胃炎も比較的頻繁に見られる疾患です。

慢性胃炎の中には表層性胃炎や萎縮性胃炎などいくつかのタイプがありますが、萎縮性胃炎は特に胃がんリスクと深く結びついています。胃粘膜が薄くなることで、さまざまな刺激に対して脆弱になり、より重篤な病変へと進行しやすくなるのが特徴です。

萎縮が進むと胃酸や消化液に対する防御力が低下し、悪性化までのプロセスが促進される可能性があります。慢性胃炎を軽視せず、適切な検査や治療を行うことで、萎縮性胃炎の進行を早期に食い止めることが大切です。

萎縮性胃炎の主な症状と初期に見られる兆候

萎縮性胃炎には明確な症状が出にくいこともありますが、早期のうちに気づくためのポイントを押さえておきましょう。

萎縮性胃炎では、初期段階ではほとんど症状がないことが多いとされています。しかし、胃もたれや軽い胸やけ、みぞおちの不快感などが続く場合は、萎縮性胃炎の可能性を考慮しておくことが重要です。こうした軽微な症状は一時的に治まることもあり、見逃されがちです。

萎縮が進むにつれて、食欲不振や胃のむかつきなどが徐々に顕在化する場合があります。特に食後の膨満感が持続したり、胃酸過多に似た症状が出たりすることもあり、日常生活への支障が増えてきます。自覚症状があれば早めの受診を検討しましょう。

萎縮性胃炎は症状だけでは見分けがつかないケースも多いため、軽い違和感でも放置せず、定期的に検査を行うことが望まれます。とくにピロリ菌感染の既往がある人や胃の不調が長引いている人は要注意です。

ピロリ菌感染との深い関わり:除菌でリスクは減るのか

萎縮性胃炎の大きな要因といわれるピロリ菌。その感染メカニズムや除菌による効果について見ていきます。

ヘリコバクター・ピロリ菌は、胃の粘膜に生息し、持続的な炎症を引き起こすことで萎縮性胃炎の発症や進行に強く関係します。ピロリ菌に感染すると、胃粘膜が防御力を失って傷つきやすくなり、長く放置すると萎縮性胃炎から胃がんへとつながる可能性が高まります。

日本では中高年のピロリ菌感染率が比較的高く、そのうち約80%以上が何らかの形で萎縮性胃炎を発症すると言われています。ピロリ菌に感染していると、胃がんになるリスクが未感染者に比べて約15倍高いという調査結果もあるため、早期に感染の有無を調べることが推奨されています。

ピロリ菌の除菌治療を行うことで、胃がんの発症リスクをある程度下げることが可能です。ただし、除菌後も胃粘膜の萎縮が完全に元に戻るわけではありませんので、定期的な胃カメラや検査を怠らないことが大切です。

萎縮性胃炎ががんに進行するメカニズム

萎縮性胃炎がどのような過程を経て胃がんへと進行するのか、その背景を理解しておくことは予防にも役立ちます。

萎縮性胃炎の最大のリスクは、胃粘膜が薄くなった状態が続くことで、細胞に異常が生じやすくなる点にあります。正常な胃粘膜が傷つくと、それを修復しようと細胞分裂が盛んに起こりますが、萎縮が進んでいると異常な細胞変化が積み重なりやすくなるのです。

こうした炎症環境が長期間続くと、前がん病変と呼ばれる状態や腸上皮化生といった変化が起こり、最終的に胃がんへと進行する可能性が高まります。特にピロリ菌感染と萎縮性胃炎が併存すると、そのリスクは大きく跳ね上がると報告されています。

ただし、萎縮性胃炎から必ずしも胃がんに進行するわけではありません。早期に検査や治療を行うことでリスクを大きく減らすことができるため、定期的な胃カメラ検査やピロリ菌の除菌は非常に重要です。

がん発症リスクは毎年0.5%?統計データから読み解く確率

ピロリ菌に感染した人のうち、毎年約0.5%が胃がんを発症するといわれています。この数字は一見すると小さいように見えますが、長期間ピロリ菌感染が続いた場合、蓄積的なリスクは決して無視できません。特に萎縮性胃炎や腸上皮化生といった変化が起きている場合は、さらにリスクが高まるとされています。

日本におけるピロリ菌感染者は、未感染者と比べて約15倍も胃がんの発症率が高いと報告されてきました。さらに感染者の中には高度に萎縮が進行している例もあり、そういった状態ではリスクが一気に上昇します。これは胃粘膜の防御機能が著しく低下し、修復過程での細胞エラーが増えるからです。

このため、ピロリ菌陽性者にはできるだけ早期に除菌治療を行い、その後も定期的な胃カメラ検査を継続することが求められます。実際に、除菌治療によって胃がんの発症率が下がったという複数の研究が報告されています。

前がん病変としての萎縮性胃炎:どこに注意が必要か

萎縮性胃炎は前がん病変と位置づけられることが多く、その重症度によっては胃がん発症の危険度が大幅に上昇します。特に高度の萎縮や腸上皮化生が確認された場合は、リスクが顕著に高くなるため細やかな経過観察が必要です。

高度の萎縮がみられる人は、萎縮が認められない人に比べて胃がん発症リスクが約130倍高いという報告もあります。これは決して少なくない数字であり、萎縮性胃炎の診断を受けた方はがん予防のための具体的な対策を考える必要があります。

前がん病変が発見されても、すぐにがんに移行するとは限りませんが、定期的な検査をすることで早期発見・早期治療につなげることができます。要注意と診断された方は、医師の指導を受けながら検査の間隔を決め、生活習慣の見直しなども合わせて実行してください。

早期発見のための検査方法:胃カメラ・超音波・血液検査

萎縮性胃炎を早期に見つけることは予後を大きく左右します。さまざまな検査方法の特徴を把握しましょう。

萎縮性胃炎の診断には、胃カメラ検査が最も有力な手段とされています。胃の内側を直接観察することで、萎縮の程度や腸上皮化生などの変化を確認しやすいからです。また、採取した組織を病理検査で調べることで、がん細胞や潜在的な病変も見つけやすくなります。

超音波検査は、主に胃の壁の厚さや周囲のリンパ節の状態などを調べる際に利用されることがあります。血液検査では、ピロリ菌感染の有無や、萎縮の進行度を推定するペプシノーゲン検査などが行われる場合があります。

これらの検査を組み合わせることで、より正確に萎縮性胃炎の状態を把握し、必要に応じて適切な治療方針を立てることが可能となります。何らかの胃の不調を感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。

胃カメラの流れ

胃カメラ検査を受ける場合、まずは前日の夜から絶食が求められます。検査当日は、局所麻酔や場合によっては鎮静剤を使用して、口や鼻から内視鏡を挿入します。医師がモニターで胃の内部を観察し、必要に応じて組織を一部採取する検査です。

検査には5分から10分ほどかかることが多く、終了後はしばらく安静にしてから帰宅できるのが一般的です。吐き気や違和感を感じるかもしれませんが、麻酔が切れると徐々に回復に向かいます。

検査後に医師から説明があり、写真や組織検査の結果を踏まえて萎縮性胃炎やほかの病変の有無について判断されます。疑わしい部分があれば追加の検査や治療を行う流れとなるため、結果の説明をしっかり聞いておきましょう。

大阪天満消化器・内視鏡内科クリニックの胃カメラ

大阪天満消化器・内視鏡内科クリニックでは、患者の負担を軽減するために鎮静剤を使用した内視鏡検査を行っています。最新の内視鏡機器を導入しており、萎縮性胃炎を含むさまざまな消化器疾患に迅速かつ丁寧に対応しています。

胃カメラ検査の予約は電話やインターネットから簡単に行え、土曜日などの診療枠を活用できることも通院のハードルを下げる要素となっています。検査時間や流れなどは事前に詳しく説明してもらえるため、初めて受ける方でも安心して受診できます。

萎縮性胃炎の有無や進行度合いを正確に把握することで、早期治療やリスク管理につなげられます。気になる症状がある場合は早めに専門クリニックで相談されることをおすすめします。

萎縮性胃炎の治療法の選択肢:内科的治療と除菌

萎縮性胃炎の治療には、内科的なアプローチとピロリ菌除菌が中心となります。成果やメリットについて確認しましょう。

内科的治療としては、胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプ阻害薬や、胃粘膜を保護する薬などが処方される場合があります。ただし、最も重要なのはピロリ菌の有無を確かめ、感染している場合は除菌治療を行うことです。通常は複数種の抗菌薬と胃酸抑制薬を一定期間服用し、菌を排除します。

日本ではピロリ菌除菌治療が健康保険の対象となっており、比較的リーズナブルな費用で受けることが可能です。除菌の成功率は高く、多くの患者さんが治療後は再感染を防ぐためのアドバイスを受けて、定期的な検診を続けています。

ただし、除菌治療を行っても胃粘膜の萎縮が完全に治るわけではありません。そのため、無症状であっても定期的に胃カメラや血液検査を受け、胃がん発症リスクを管理することが非常に大切になります。

除菌後も安心できない?定期検診でリスクを下げる

ピロリ菌を除菌すれば、胃がんのリスクはある程度下がるとされていますが、それはゼロになるわけではありません。すでにある程度の萎縮性変化が起きている場合、除菌後も粘膜のダメージは残る可能性があります。

そのため、除菌後は少なくとも年に一度のペースで胃カメラ検査を受けることが推奨されています。早期に再発や新たな病変を発見できれば、より軽度な治療で済む可能性が高いからです。

特に家族に胃がんの既往がある方や、たばこや飲酒などリスク因子が重なりやすい方は、検査の頻度を増やすなどの対策が求められます。医師と相談しながら、自分に合った検診プログラムを組むことが大切です。

セルフケアと生活習慣改善:食事・ストレス・禁煙

萎縮性胃炎の治療効果を高め、再発リスクを制御するには日常のセルフケアが欠かせません。まずは刺激の強い食事を避け、バランスのとれた食生活を心がけましょう。野菜や果物を多く摂り、過度のアルコール摂取や喫煙を控えることが大切です。

ストレスも胃酸分泌や胃粘膜の状態に大きく影響を与える一因として知られています。適度な運動やリラックス法を取り入れるなど、自分自身のストレスケアを行うことも重要です。

また、習慣的にタバコを吸う人は、喫煙によって胃粘膜への血流が悪化し、修復能力が下がると言われています。禁煙は萎縮性胃炎だけでなく、さまざまな疾患リスクを下げるためにも推奨されます。

萎縮性胃炎を進行させないために:予防と再発防止策

萎縮性胃炎を進行させないための具体的な予防策や、再発を防ぐ取り組みをまとめます。

萎縮性胃炎を予防するには、若年層のうちにピロリ菌検査を行い、感染が判明したら除菌をすることが基本的な対策となります。日本ではピロリ菌感染率が新世代ほど低下傾向にありますが、油断は禁物です。特に10代の段階での検査と除菌は、将来的ながんリスク低減に大きく寄与します。

再感染を防ぐためには、衛生面にも注意を払う必要があります。ピロリ菌は口から口への感染も考えられ、家族間で感染が広がることもあるため、歯磨きや食器の扱いなど基本的な衛生管理が重要です。

萎縮性胃炎が進行すると、前がん病変としてのリスクがより大きくなるため、定期的な検診や生活習慣の見直しを続けていくことが欠かせません。小さな兆候や症状でも早めに検査を受け、医師と相談しながら最適なケアを行いましょう。

まとめ:萎縮性胃炎と上手に向き合いがんリスクを軽減する

最後に、萎縮性胃炎とがんリスクの関係を踏まえた生活や検診のポイントを総括します。

萎縮性胃炎は、放置すれば胃がんへの進行リスクを高める点で非常に注目される疾患です。特にピロリ菌感染がある場合、そのリスクは未感染者に比べて格段に高くなるため、早期の検査と除菌治療が欠かせません。

除菌を行った後も胃粘膜の萎縮が完全に修復されるわけではないため、定期検診によるフォローアップが重要になります。生活習慣の改善やセルフケアも合わせて行うことで、リスク軽減につなげることができます。

胃の不調は軽く見過ごされがちですが、症状がなくても検査を受けることで早期発見・早期治療が可能です。自分の体を守るためにも、萎縮性胃炎の知識を深め、継続的に予防と対策を実践していきましょう。

 

外来・検査希望の方へ TEL.06-6353-3888 LINE予約 事前WEB問診
求人のご案内
佐藤内科クリニックINSTAGRAM 佐藤内科クリニックTikTok 一番上に戻る
外来・検査希望の方へ LINE予約 事前WEB問診